ServiceNowにおけるインシデント管理の流れ・プロセスを徹底解説

ServiceNowにおけるインシデント管理の流れ・プロセスを徹底解説
  • 6月 1, 2026

企業のIT部門では、システム障害やトラブル対応を迅速に行うことが重要です。

その中核となるのが インシデント管理(Incident Management) です。

インシデント管理とは、ITサービスの停止や品質低下などの問題を迅速に復旧させ、業務への影響を最小限に抑えるためのプロセスを指します。

ITサービス管理プラットフォームであるServiceNowでは、インシデント管理を体系的に管理できる機能が提供されており、多くの企業のIT運用で活用されています。

この記事では、ServiceNowにおけるインシデント管理の流れと具体的なプロセスについて詳しく解説します。

 

目次

     


    インシデント管理とは

    インシデント管理とは、システム障害やサービス停止、ユーザーからのIT問い合わせなどの問題を記録し、迅速に解決するためのプロセスです。

    インシデント管理の主な目的は以下の通りです。

    • ITサービスをできるだけ早く正常な状態に戻す
    • 影響範囲を最小限に抑える
    • 再発防止や改善に役立つ情報を蓄積する

    ServiceNowでは、インシデントの受付、担当者への割り当て、調査、解決、クローズまでを一つのワークフローとして管理できます。

     

    ServiceNowにおけるインシデント管理の基本フロー

    ServiceNowのインシデント管理は、一般的に
    「登録 → 分類・優先度設定 → 割り当て → 対応 → 解決 → クローズ」
    という流れで進みます。

    この一連のプロセスは ServiceNow IT Service Management(ITSM) の機能として提供されており、組織の運用ルールに合わせてカスタマイズすることができます。 

    フェーズ 内容 ServiceNowでの主な機能
    登録 インシデントの受付・記録 ポータル、メール、API連携
    分類・優先度設定 影響度と緊急度の判断 自動分類ルール、優先度計算
    割り当て 担当チームへの振り分け 自動ルーティング
    対応 調査・復旧作業 ワークフロー、ナレッジ参照
    解決 問題解消と通知 解決ステータス管理
    クローズ 最終確認と記録保存 履歴管理・レポート

     

    まず、ユーザーや監視システムからインシデントが登録されます。

    ServiceNowのポータルやメール、API連携など、複数のチャネルからチケット化できるため、受付の抜け漏れを防げます。
     
    登録されたインシデントは、カテゴリで分類されたうえで、影響度や緊急度に基づいて優先度が設定されます。

    この段階で適切な優先順位付けを行うことで、重大な障害への迅速な対応が可能になります。

    ServiceNowではルールを設定することで、優先度の自動判定や振り分けを自動化できます。
     
    次に、担当グループや担当者への割り当てが行われます。

    ワークフローや自動ルーティング機能を活用することで、適切なチームへスムーズにエスカレーションできます。

    これにより、属人化を防ぎ、対応の標準化につながります。
     
    担当者は調査と対応を行い、必要に応じてナレッジベースを参照したり、他部門と連携したりしながら解決を目指します。

    対応履歴はすべてServiceNow上に記録できるため、後からの分析や再発防止にも役立ちます。

    問題が解決すると、インシデントは「解決済み」としてユーザーに通知され、確認後または一定期間後にクローズされます。

    この一連のプロセスが可視化されることで、対応時間や品質の管理が容易になります。

     

    ServiceNowのインシデント管理プロセス 

    1. インシデントの登録

    インシデントは主に以下の方法で登録されます。

    • ポータルからの問い合わせ
    • メールによる自動登録
    • 電話対応による手動登録
    • 監視ツールからの自動生成
    ServiceNowでは、ユーザーがセルフサービスポータルから問い合わせを登録すると、インシデントレコードを作成できます。

    また、監視ツールと連携することで、システム障害を検知した際にインシデントを自動作成することも可能です。

     

    2.  影響度と緊急度で優先度を決定 

    インシデントが登録されると、次に 優先度(Priority) が 決定されます。

    運用ルールにより異なりますが、一般的には以下のように影響度と緊急度の組み合わせで優先度を判断します。

     
    要素 内容
    Impact(影響度) 影響を受けるユーザーやシステムの範囲
    Urgency(緊急度) 対応の緊急性
     

    例:

     

    Impact(影響度) Urgency(緊急度) Priority(優先度)
    Critical / 最優先
    Moderate / 中程度
    Low / 低 

    優先度を自動設定することで、重要なインシデントを優先的に対応しやすくなります。

     

    3. 担当チームへの割り当て

    インシデントは、内容に応じて適切な担当チームへ割り当てられます。

    例えば

    • ネットワーク障害 → ネットワークチーム
    • PCトラブル → サポートデスク
    • システム障害 → アプリケーションチーム
    ServiceNowではルールを設定することで、インシデントのカテゴリや内容に応じて自動で担当グループへ振り分けることができます。

    これにより、担当者の振り分け作業を削減し、対応スピードを向上が期待できます。

     

    4. 原因調査と対応作業

    担当チームに割り当てられたインシデントは、調査と対応が行われます。
     

    具体的には次のような作業が行われます。

    • 障害の原因調査
    • ナレッジ記事の参照
    • ログ確認
    • 回避策の実施
    • システム修正
    ServiceNowではナレッジベースと連携することで、過去の解決事例を検索しながら対応することができます。

    これにより、対応時間の短縮や属人化の防止につながります。

     

    5. 解決とユーザー確認

    問題が解決した場合、担当者は解決内容をインシデントに記録します。

    記録される内容の例

    • 解決方法
    • 原因
    • 実施した対応
    • 関連ナレッジ

    ユーザーはポータル上で対応状況を確認できるため、問い合わせの進捗が分かりやすくなります。

     

    6. インシデントのクローズ

    最後にユーザー確認が完了した後、または一定期間後に、インシデントはクローズされます。

    クローズ時には以下の情報が保存されます。

    • 解決までの時間
    • 担当チーム
    • 対応履歴
    • 原因情報

    これらのデータはレポートや分析に活用され、ITサービスの改善に役立てられます。

     

    ServiceNowでインシデント管理を行うメリット 

    1.  対応プロセスを標準化できる 

     インシデント対応をメールや電話、個人のメモなどで管理している場合、担当者ごとに対応方法が異なり、業務が属人化してしまうことがあります。

    しかし、ServiceNowを利用すると、インシデントの登録から解決までのプロセスをシステム上で統一することができます。

    これにより、担当者による手順のばらつきを抑え、対応品質の安定化につなげることができます。

    また、新しい担当者が参加した場合でも、標準化されたプロセスに沿って業務を進めることができるため、教育コストの削減にもつながります。  
     

    2.  対応状況をリアルタイムで可視化できる 

    インシデント管理をServiceNowで行うと、対応状況を一つのプラットフォームで確認しやすくなります。

    例えば、現在対応中のインシデント数や優先度の高い障害、解決までにかかっている時間などをダッシュボードでリアルタイムに把握できます。

    これにより、管理者は対応が遅れているインシデントを早期に発見し、適切なリソース配分を行うことができます。

    また、対応履歴や統計データを分析することで、ITサービスの改善にも役立てることができます。 

     

    3.  SLA管理によるサービス品質の向上 

    インシデント管理では、対応時間の目標を定めた SLA(Service Level Agreement) の管理も重要です。

    ServiceNowでは、インシデントの優先度やカテゴリに応じてSLAを自動的に設定しておくことで、対応期限をシステム上で管理することができます。

    期限が近づいた場合には担当者へ通知を送ることもできるため、対応遅延の防止につながります。

    このようにSLA管理を自動化することで、対応遅延の防止やサービス品質を向上させることができます。 

     

    4. ナレッジの蓄積と再利用ができる 

    インシデント対応の履歴や解決方法をナレッジとして蓄積できる点も大きなメリットです。

    過去のインシデントでどのような対応を行ったのかを検索できるため、同じ問題が発生した場合でも迅速に解決することが可能になります。

    これにより、担当者の経験や知識に依存することなく、組織全体でナレッジを共有することができます。

    結果として、対応時間の短縮や業務効率の向上につながります。 

     

    5. 自動化による業務効率化 

    ServiceNowにはワークフローや自動化機能が備わっており、インシデント管理に関する多くの作業を自動化することができます。

    例えば、インシデントの内容に応じて担当チームへ自動で割り当てたり、対応状況に応じて通知を送信したりすることが可能です。

    こうした自動化機能を活用することで、担当者は単純作業の負担を減らし、より重要な問題解決に集中しやすくなります。 

     

    ServiceNow インシデント管理:まとめ

    ServiceNowのインシデント管理は、ITトラブルの受付から解決までのプロセスを一元管理し、対応の効率化と品質向上を支援する仕組みです。

    主なプロセスは以下の通りです。

    1. インシデント登録
    2. 優先度設定
    3. 担当者割り当て
    4. 調査・対応
    5. 解決
    6. クローズ

    これらのプロセスを標準化することで、情シス部門の業務効率化やITサービス品質の向上につながります。

     

     ※サムネイル画像は、生成AIで作成したイメージです 。  

     


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