情シス(情報システム部門)では、日々さまざまな申請・承認業務が発生します。アカウント発行、PC・ソフトウェアの利用申請、権限変更、SaaS利用申請など……。
しかし多くの企業では、メール、Excel、社内ポータル、チャットツールといったバラバラな手段で申請・承認が行われ、属人化・遅延・ミスが発生しがちです。
この記事では、ServiceNowを使って情シスの申請承認フローを自動化する方法と、導入によって得られる具体的な効果をわかりやすく解説します。
なぜ情シスの申請承認フローは問題になりやすいのか
情シスの承認業務が煩雑になる主な理由は、以下の通りです。
- 申請方法が統一されていない
- 誰が承認者かわかりにくい
- 承認状況が見えない
- 承認漏れ・対応遅延が発生する
- 担当者不在時に業務が止まりやすい
結果として、「申請したのに進んでいない」「誰の承認待ちかわからない」といった不満が、利用部門・情シス双方に溜まっていきます。
情シスの申請承認フロー自動化に向けてServiceNowでできること
ServiceNowを使うと、情シス向けの申請承認フローを一元管理・自動化できます。
主な構成要素は、以下の通りです。
- サービスポータル(申請画面)
- カタログアイテム(申請メニュー)
- ワークフロー/フロー(Flow Designer)
- 承認ルール
- 通知(メール・ポータル)
■ 全体の流れ(例)
- 利用者がポータルから申請
- 設定されたルールに基づき、ServiceNowが承認者を判定
- 承認依頼を自動通知
- 承認・却下に応じて処理を分岐
- 完了・却下結果を自動通知
この一連の流れのうち、承認依頼や通知、処理分岐などを自動で実行できます。
情シスのServiceNow 申請承認フロー自動化の具体的な方法
| ステップ |
内容 |
具体例 |
| ① 申請をサービスカタログに集約 |
社内の申請をサービスカタログにまとめ、ユーザーがポータルから簡単に申請できるようにする。
申請フォームを作成することで入力項目を標準化し、入力漏れを防ぐことができる。 |
PC利用申請 / アカウント発行申請 / ソフトウェア利用申請 / 権限変更申請 |
| ② 承認ルールを定義 |
申請内容や申請者の情報を条件に、承認者を自動的に決定するルールを設定する。
これにより承認フローが明確になり、承認漏れや遅延を防ぐことができる。 |
上長承認 / 情シス承認 / 二段階承認 / 金額に応じた承認分岐 |
| ③ Flow Designerでフロー自動化 |
ServiceNow Flow Designer を利用して、申請受付から承認、対応完了までの流れを自動化する。
ローコードで設計できるため、情シス部門でも運用改善を行いやすい。 |
承認依頼の自動送信 / 承認後タスク作成 / 却下時の差戻し / SLA設定 |
| ④ 通知とステータス可視化 |
承認依頼メールやリマインド通知を自動送信し、申請の進捗状況を可視化する。
申請者や管理者が現在のステータスを簡単に確認できるようになる。 |
承認依頼メール / 承認リマインド / ポータルでの進捗確認 |
① 申請を「サービスカタログ」に集約する
最初に行うのは、企業内で行われている各種申請をServiceNowのサービスカタログに集約することです。
サービスカタログとは、ユーザーがITサービスや各種申請を選択し、依頼できるようにする機能です。
ここに申請メニューをまとめておくことで、ユーザーは必要な申請を簡単に見つけて申請できるようになります。
例えば、PC利用申請、アカウント発行申請、ソフトウェア利用申請、権限変更申請などをサービスカタログとして提供することで、申請業務を一元管理できます。
各申請はフォーム形式で作成されるため、必要な項目をあらかじめ設定しておくことで入力漏れを防ぐことができます。
また、申請内容が標準化されるため、情シス担当者が内容を確認する際の手間も減り、申請処理をスムーズに進めることができます。
② 承認ルールを明確に定義する
次に重要なのが、申請の承認ルールを明確に定義することです。
承認ルールが曖昧な状態では、誰が承認すべきなのか分からず、申請が途中で止まってしまうことがあります。
ServiceNowでは、申請内容や申請者の情報に基づいて承認者を自動的に決定する仕組みを設定できます。
例えば、申請者の上長が承認者となるシンプルなフローや、上長承認の後に情シス承認が必要となる二段階承認など、組織のルールに合わせた承認フローを構築することが可能です。
また、申請金額に応じて部門長承認を追加するなど、条件分岐を含む承認プロセスも設定できます。
これにより、承認フローが明確になり、業務の透明性とスピードが向上します。
③ Flow Designerで承認フローを自動化
承認ルールを定義した後は、実際の承認フローを自動化します。
ServiceNowでは ServiceNow Flow Designer を利用することで、プログラミングを行わずにワークフローを構築することができます。
Flow Designerはローコード開発ツールであり、画面上で処理の流れを設計できる点が特徴です。
例えば、申請が登録された際に承認依頼を自動で送信したり、承認が完了した後に作業担当者へタスクを自動作成したりすることができます。
また、申請が却下された場合には申請者へ差戻し通知を送る仕組みや、一定時間承認されない場合にリマインド通知を送る設定も可能です。
さらに、SLA(サービスレベルアグリーメント )を設定することで、対応遅延を防ぐ仕組みを構築できます。
このような自動化によって、情シス部門の運用負担を軽減できます。
④ 通知とステータスを可視化する
申請業務では、現在どの段階まで処理が進んでいるのかを把握できる仕組みが重要です。
ServiceNowでは、申請の進捗状況を可視化しやすい仕組みが提供されています。
例えば、承認依頼メールの自動送信や、承認が行われていない場合のリマインド通知などを設定することができます。
また、ユーザーはポータル上で自分が申請した内容のステータスを確認することができるため、「承認はどこまで進んでいるのか」「現在どの段階なのか」といった状況を把握しやすくなります。
これにより、進捗確認の問い合わせが減り、情シス担当者の対応負担も軽減されます。
申請プロセス全体の透明性が高まることで、業務効率の向上にもつながります。
情シスがServiceNowで申請承認フローを自動化することで得られる効果
| 効果 |
内容 |
| 承認リードタイムの短縮 |
申請が登録されると承認依頼が自動送信され、一定時間承認されない場合はリマインド通知も行われます。
承認者はモバイルからも対応できるため、承認の遅れを防ぎ、申請から承認完了までの時間短縮が期待できます。
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| 属人化の解消 |
申請内容や申請者の部署、金額などの条件に応じて承認者を自動で設定できます。
これにより担当者の経験や判断に依存しにくい承認フローを構築でき、担当者不在による業務停滞の防止にもつながります。
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| 情シスの工数削減 |
承認依頼の送信、進捗管理、通知などをワークフローで自動化できるため、情シス担当者が行っていた確認作業や催促対応、問い合わせ対応などの負担を減らすことができます。 |
| 内部統制・監査対応の強化 |
申請から承認、処理完了までの履歴をシステム上で管理でき、「誰が・いつ・何を承認したか」を追跡できます。
これにより監査対応が容易になり、内部統制やセキュリティの強化にもつながります。
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① 承認リードタイムの短縮
従来の申請業務では、メールや口頭で承認依頼を行うケースも多く、承認者がメールを見逃したり、対応が遅れたりすることがありました。
その結果、申請から承認までに時間がかかり、業務の進行に影響が出ることもあります。
ServiceNowを利用すると、申請が登録されたタイミングで承認依頼が自動的に送信されます。
また、一定時間承認が行われない場合にはリマインド通知を送ることも可能です。
これにより、承認者が対応すべき申請を見落とすことを防ぎ、対応スピードの向上が期待できます。
さらに、モバイル対応の承認機能を活用すれば、承認者は外出先からでも迅速に対応できるため、申請処理全体のリードタイム短縮につながります。
② 属人化の解消
メールや個別のツールで申請管理を行っている場合、誰が承認すべきなのかが明確でなかったり、担当者が不在の場合に申請が止まってしまうことがあります。
また、担当者の経験や知識に依存する運用になりやすく、業務の属人化が進んでしまうことも少なくありません。
ServiceNowでは、申請内容に応じた承認ルールをあらかじめ設定することができます。
例えば、申請の種類や金額、部署などの条件に応じて承認者を自動的に決定することが可能です。
これにより、担当者の判断に依存することなく、統一されたルールで承認プロセスを進めることができます。
また、承認フローがシステム上で管理されるため、担当者が不在の場合でも代理承認や再割り当てなどの対応が容易になり、業務停滞の防止につながります。
③ 情シスの工数削減
申請業務を手動で管理している場合、情シス担当者はさまざまなサポート作業に時間を取られてしまいます。
例えば、「申請内容の確認」「承認者への催促」「現在の進捗状況に関する問い合わせ対応」など、定期的な確認作業が多く発生します。
ServiceNowでは、申請の受付から承認、処理完了までのプロセスをワークフローとして自動化することができます。
これにより、承認依頼の送信や進捗管理、通知などの作業をシステムで自動化できるため、情シス担当者の作業負担を軽減できます。
その結果、担当者はシステム改善やIT戦略など、より付加価値の高い業務に時間を使えるようになります。
④ 内部統制・監査対応の強化
企業では、システム利用や権限付与などの申請について、適切な承認プロセスを経ていることを証明する必要があります。
しかし、メールや紙ベースの運用では、誰がいつ承認したのかを後から確認するのが難しい場合があります。
ServiceNowでは、申請の登録から承認、処理完了までのすべての履歴をシステム上で管理できます。
具体的には、「誰が」「いつ」「どの申請を」「どのように承認したか」といった情報を記録できるため、監査時にも証跡を確認しやすくなります。
このように承認履歴を一元管理することで、内部統制の強化やセキュリティ対策にも役立ちます。
まとめ:情シスの申請承認フロー自動化はDXの第一歩
情シスの申請承認フローは、自動化による効果が期待しやすい業務です。
ServiceNowを活用することで、「業務効率化」「利用部門の満足度向上」「情シスの負荷軽減」「ガバナンス強化」を同時に目指すことができます。
まずは、「一番手間がかかっている申請」からServiceNowで自動化してみるのがおすすめです。
※サムネイル画像は、生成AIで作成したイメージです 。
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