どちらも顧客対応を支援するシステムとして広く利用されていますが、設計思想や得意とする領域には明確な違いがあります。
本記事では、これら2つの基本的な役割を整理しながら、その違いを詳しく解説します。
目次
CSMとCRMの基本概念
まずは、それぞれのシステムが何を目的としているのか、基本的な定義を確認しましょう。
CRM(顧客関係管理)とは
CRMは「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」の略で、企業と顧客の関係を長期的に管理し、ビジネスの成長につなげるためのシステムです。
主に営業やマーケティング、サポートといった顧客接点を持つ部門で利用されます。
CSM(カスタマーサービス管理)とは
一方、CSMは、顧客からの問い合わせやトラブルに対して、企業がどのように対応し問題を解決するかという「サービス提供プロセス」を管理する仕組みです。
代表的なプラットフォームである ServiceNow CSMは、問い合わせ管理だけでなく、業務プロセスやIT運用と連携し、問題解決までの流れを統合的に管理できる点が特徴です。
問い合わせの受付から調査、対応、解決までの一連のプロセスをシステム上で管理します。
ServiceNow CSMとSalesforce CRMの違い
Salesforce CRMは顧客接点の管理に強い
Salesforce CRM は、顧客とのコミュニケーションを中心に設計されています。
特にカスタマーサポートでは、問い合わせを「ケース」として管理し、担当者がナレッジベース(FAQなどの知識集)を参照しながら対応することができます。また、メールやチャット、電話など複数のチャネルからの問い合わせを一元管理することも可能です。
このようにSalesforceは、顧客との接点を効率的に管理し、営業からサポートまでの情報を共有することで、顧客との関係を強化することに重点を置いています。
ServiceNow CSMは社内プロセス連携に強い
ServiceNowはITサービス管理(ITSM)のプラットフォームとして発展してきた背景から、IT運用やシステム管理との連携が非常に強力です。
例えば、顧客からの問い合わせをシステムの不具合(ITインシデント)と関連付けたり、システム構成情報と紐づけることで、問題の原因を迅速に特定することができます。
これにより、問い合わせ対応だけでなく、実際の問題解決までを含めたサービス管理を実現できます。
主な強み:顧客の問題を社内の各部門へスムーズにつなげ、実際の解決まで追跡できる。
ServiceNow CSMとSalesforce CRMの比較
ServiceNow CSMとSalesforce CRM それぞれの特徴
それぞれの特徴を整理すると、以下のようになります。
Salesforce CRMは顧客接点を中心とした「フロントオフィス」に、ServiceNow CSMは社内プロセスを含めた「サービス提供全体の管理」に強みを持っています。
| 比較項目 | ServiceNow CSM | Salesforce CRM |
|---|---|---|
| 主な目的 | 顧客問題の解決プロセス管理 | 顧客関係の管理 |
| 得意領域 | 社内業務プロセス連携、サービス運用 | 顧客接点管理、営業支援 |
| プラットフォーム思想 | ワークフローによる業務自動化 | 顧客データ中心の管理 |
| 主な利用部門 | IT部門、運用部門、サポート部門 | 営業、マーケティング、サポート |
| 強み | ITSM連携、プロセス可視化 | 顧客管理、営業連携 |
ServiceNow CSMとSalesforce CRM |実際の業務シナリオで見る違い
顧客から「サービスが利用できない」という問い合わせがあった場合を例に考えてみます。
解決できない場合は他チームへエスカレーション(報告・依頼)を行いますが、基本は「問い合わせ対応の管理」が中心になります。
ServiceNow CSMとSalesforce CRM|どちらを選ぶべきか?
Salesforce CRMが向いているケースとServiceNow CSMが向いているケース
企業がどちらのプラットフォームを選ぶべきかは、解決したい課題によって変わります。
【Salesforce CRMが向いているケース】
・顧客とのコミュニケーション管理を強化したい
・営業〜サポートを一つのCRMで回したい
・多様なチャネルでの問い合わせ対応がキーとなる
【ServiceNow CSMが向いているケース】
・製品・サービスの問題が社内の多くの部門に関わる
・障害対応やフィールドサービス連携が必要
・ITSMや運用部門と統合したい
・サービス提供プロセスそのものを効率化したい
ServiceNow CSMとSalesforce CRM|まとめ
Salesforce CRM と ServiceNow CSM は、どちらも顧客対応を支援する重要なプラットフォームですが、その役割は大きく異なります。
一方、ServiceNow CSMは顧客問い合わせを社内プロセスと結びつけ、問題解決までの流れを統合的に管理するサービス管理プラットフォームです。
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